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2020年7月

Le Mythe de Sisyphe

高校生のとき、アルベール・カミュの「シューシポスの神話」というのを読んだ。

哲学を専攻しようと思ったのは、この本がきっかけだったなあと思い出したが、

なぜだかフランス哲学を専攻せず、ドイツ語からドイツ哲学のほうに進んだわけだけど、

フランス語は高校のころから独学である程度勉強していたので、次はドイツ語っていう安直な考えであったような気がする。

このことをふと思い出したのは、有名人が自殺したようで、連日報道されているんだけど、

その報道の後に、悩んでる人は相談してっていう案内が入ることにちょっと奇妙な気がする。

確かに、有名な人が自殺したりすると、誘引されるというか、自分のもやもやをそういう形で選択する人もいるかと思うけど、

なんか散々報道して、亡くなる前の様子などをつぶさに知ってしまって、で、結局死なないでここに相談してって、

ちょっと無責任な気もしないではない。

社会人になったころ、写真週刊誌が全盛で、衝撃的な写真などが掲載されていたわけだけど、

あるタレントさんが自殺して、その現場写真などが無修正で掲載されて、それは悩める人にかなりの数を誘引してしまって、社会問題になったことがあるが、

その罪滅ぼしが、その相談窓口を案内することなんだろうか。

誘引されてビルの屋上に、あるいは真っ黒い崖の上に立ったとき、

下にはどんな風景が待っているのだろうか。

わたしは怖がりなので、そんな勇気はふるいたくない。

ものすごく生存したいわけじゃないけど、体は生き続けようとしている。そしたら、どうせ何百年も生きるわけじゃないから、

取りあえずお迎えがくるまでは生きていようと思う。

それまで岩を運び続けようかと。

自殺に価値はない。もし本当に人生がばかげていても、抗うことがばかげていても。むしろ生きる意味が与えられていないからより良く生きようと思える』


kumagawa

私の子どものころ、といえばもう半世紀も昔のことだから、

今とは全然違う時代なのかもしれない。

夏休みになると、両親は共働きだったので、何度か電車に乗せられ(なんと1人で)県南にある人吉のおばのうちに行っていた。

人吉は母の郷里。

夏の暑い、天気のよい日で、電車から見える景色がだんだんと田園風景が谷あいの川と並走するようになるころが、肥薩線に入ったことを知らせるサインのようなものだった。

川沿いに入ると、空気が変わり、山に阻まれて光が弱くなる。

そうすると途端に胸騒ぎに似た不安がよぎる。

着いたらプールに行って、どこに行ってっていう計画が全部だめになるんじゃないかという漠然とした不安。

冷たい風、日の陰り、夕立が来るんじゃないかという、幼いながらの経験値みたいなものだったかもしれない。

むろん、谷間を抜けて人吉に入れば、そんなうっすらした胸騒ぎはすっかりなくなってしまって、

迎えにきたおばの顔に、お休みをどう過ごすかをまた期待を膨らますことになるわけだけど。

 

そんな人吉、子どものころ行ったきりだったから、

もう一度、ちゃんと旅したいと思っていたのだけど。

数年前に熊本は地震に遭い、それからやっと立ち上がって来たときに、今回の災害。

母はもう90歳になったので、ことしの春にわたしの兄が人吉に連れていってくれた。

関東地方は、移動自粛するように言われていたので、わたしは行かれなかった。

生きている間にもう母が帰れることはないかもしれない。

いつもわたしは親不孝者で、兄や、兄の家族に迷惑ばかりだな。

まだ雨が降るようだけど、これ以上のことが起こりませんように。

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