« 夏ももう終わりかな | トップページ | hawai'i の噴火報道で思うこと »

においの記憶

古いアンティークの飾ってあるお店や
古い喫茶店、
たとえば鎌倉のミルクホールなどに行くと
なんだか機械油のようなにおいがあるときがある。
機械油っていうか、ミシン油って言うか。
昔、足踏みミシンが家にあったころ、ボディーをつかんで起こすとき
このにおいがしたなあって。

そうそう、掛け時計。
うちに古い掛け時計があって、
もちろんお屋敷なんかにかざってあるあんな風格のあるものじゃなくて
四角い箱みたいなものだったんだけれど、
これがゼンマイ式で、おおよそ1カ月に1回ぐらいねじをまかないと止まってしまうので
掛け時計の真ん中のまあるい印が赤くなってきたら、
椅子を持ってきてゼンマイを巻くのは子どもの仕事だった。
最初は椅子の上に爪先立って巻いていたけど
だんだんと容易に届くようになると内部をしげしげと眺めながらねじを巻いていた。
よく父に「巻きすぎないように」と言われていたけど
ちゃんと丁寧にあつかっていると、ここが終わりっていうところが分かるんだよね。
右と左のゼンマイをおおよそ30回巻いて、ゼンマイをまくカギみたいなのをしまうと
かならず油のにおいがした。

あの油のにおいはちょっとのどにくるんだけど、
ああいうにおいのする喫茶店のコーヒーは
総じてあんまりおいしくない。(個人的な意見です)
アンティークの機械の中でコーヒーが飲めるというシチュエーションを楽しむもんなんだなと思う。

掛け時計はいつも父を思い出す。
昼間の父の顔。

まじめで几帳面で、潔癖だった。
夜になるとお酒が入って豹変したけどね。

父がなくなって、あの掛け時計はいつの間にか洋風の仕掛け時計に変わっていた。
和室なのに、孫に受けたいと思った母が買い替えてしまったのだ。

機械油のようなにおいを嗅ぐと、必ずあの時計を思い出す。

« 夏ももう終わりかな | トップページ | hawai'i の噴火報道で思うこと »

「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/92016/60339818

この記事へのトラックバック一覧です: においの記憶:

« 夏ももう終わりかな | トップページ | hawai'i の噴火報道で思うこと »

フォト
2017年10月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
無料ブログはココログ

Юлияの旅日記(メリーモナーク編2)

  • マウナ・ケア
    メリーモナーク・フラ・フェスティバルを見にいったハワイ島への2度目の訪問の記録。2日目

Юлияの旅日記(ハワイ島編1)

  • セント・ベネディクト教会
    旅にでたときに出会ったものを そのときどきに気ままに写真にしたものです。 今回はハワイ島

ユーリャの珍道中旅日記

Charon's Boat

  • Юлия
    私の詩や小説、写真などを載せています

フラキャンプとトレッキング

  • Img_0040
    2008年7月18日から29日までフラの研修会をかねて オアフ島に参りました。そのときの写真です。