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マニュアルから犀に妄想は続くよどこまでも

仕事の関係で
マニュアルを目にすることが多い。
つい最近、ある人がマニュアルが細分化したために、
人は判断能力を失いつつあるということを言ってるのを耳にした。
職場でいちいち行ったことについて、
これでいいですかって
聞いてくる新人がいるという話だった。
特定の新人のことではなくて、近年全体がどうしてもそういう感じになってきたという話だ。

いろんな規則があるとき
その規則の法則性というか
根幹に流れている考え方を推測して
この場合はこうだな
って判断はできない。

ひたすらよいと言われていることを蓄積していき、
それぞれが独立してその背後の考え方はまったく習得しないというものだ。

マニュアル

たしかにサービス業などでどんなお客さまにも公平な態度が取れるだろう。
誰がやっても大差ないシステム。
しかし動作には必ずその意味があってやっているわけで
意味と動作を切り離して覚えてもそれは求められる動作なんだろうかと思うことがある。

わたしなぞは昔の人間なんで、
納得できない行動はとりづらい。

大学のとき、哲学科だったこともあって
ものごとを考えるということはほとんど習性だ。
行動の背後の意味や考えを読み解くのはほとんどナチュラルにやってしまうのだが
それがない人が多くなってきたということなのかもしれない。

一般教養の文学で不条理劇というのを選択して
世界にはとても面白くて、皮肉っぽくて、なかなか骨のある文学があることを知った。
それぞれの事象を単に記憶して行くっていうシーンは
イヨネスコという作家の「教授」に出てくるシーンをほうふつとさせる。
何ケタにもおよぶ計算式を「ええっと、いま答えを思い出しますから」とか漫才のようなやり取りが続く劇。
最近、こういう世界をすでに半世紀以上前に考えていたのかと思うと、
不条理劇作家たちの洞察力と想像力に舌を巻くばかりだ。
おお、そこで「犀」の登場だ。
「犀」というのはくしくもわたしが生まれた年に書かれた作品だ。
カフカの「変身」のようにどんどん人が犀になっていってしまうというストーリだ。
思考力や判断力を失って
今は人は犀になって弱いネコを踏みつけて走り出す。
思考しようと立ち止まっている者など踏み倒されていくのだろう。
おまけにこの犀たちは、みなナルシストだ。エンジン全開で自分に陶酔して、ほかを踏みつけるだろう。

野辺にはスイセンも生えるまい。

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